はぁい。でっかい胸は滅べば良い。レミィよ。
この洋館でのんびりと毎日を楽しんでいるこの私。だけど、ちょっと気になる事があるの。
三ヶ月くらい前からかしら。メイドの咲夜、ってのが居るんだけど……。
何かアイツの胸が大きくなってきたのよねぇ。許せない。アレか? 成長期かしら?
これは、調べてみる必要があるわねぇ。
月曜日。
早速、咲夜を呼び出してみた。
「はい、何か御用でしょうかお嬢様?」
ミニスカメイド服、黒のニーソックスの咲夜は、豊満な胸を揺らして私の部屋に現れた。
何それ、挑発?
「ねぇ咲夜。あなた、バストのサイズを言えるかしら?」
「へ? え、いやあの」
「言・え・る・か・し・ら?」
「はひっ! きゅ、九十八ですぅ……」
なん……だと……!? ゆ、許せない!
私は咲夜の胸を鷲掴みにしてやった。
「これか? ええ? この贅肉は位置が良いだけかぁ?」
「あうっ、おっ、お嬢様! や、やめて下さああああああ……」
くっ、本物なのこれ? 揉めば揉むほど柔らかい……。
許せない許せない許せない許せない。
火曜日。
納得がいかないので、とりあえず廊下に罠を仕掛けてみた。
どんな罠かって? こうやって、落ちてるゴミを拾うと……。
「ッキャアアアアアアアアア!?」
……うん、手足を縛られた上で宙吊りにされるという我ながら酷い罠を造ったんだけどね。まさか自分が掛かるなんて……。
「おっ、お嬢様!? 何をされてるんですか!?」
うおぅ、咲夜。流石に駆けつけるのが早いわね。
「見て分からないの!? 罠に引っかかったのよ!?」
「わっ、分かりませーん!」
「いいから早く助けなさいよバーカ!」
「はっ、はいぃ!」
宙吊りにされた私を降ろそうと咲夜が四苦八苦。そんな時でも咲夜の胸は揺れる。たぷんたぷん。許せない許せない許せない許せない。
水曜日。
うん、もう何か仕打ちしてやる。咲夜の作ったオムライスにタバスコを一瓶空にする位入れてやった。ライスにぶっかけて、卵で隠してやったから問題ない。後はコイツを食べさせてやるだけ……。
「ちょっと咲夜ー」
チリンチリンと呼び鈴を鳴らして、咲夜を呼び出す。
「何でしょうか、お嬢様?」
「この料理、薄味なんだけど?」
「ええっ、ほんとですか? ちょっと味見を……」
咲夜は私が差し出したスプーンを受け取って、オムライスを一口食べた。
「……? これ、薄味ですか? 自画自賛になりますが、普通に美味しい味付けになっていますよ?」
え、ええ? タバスコを入れたのに……? 咲夜からスプーンを貰って、私も一口。
「……かっ、辛ァアアアアアアアアアアアアアアアア!?」
「お、お嬢様ーーー!?」
辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛ぁあああああああい!
う、迂闊! 咲夜の舌がここまで鈍いとはッ! ていうかそんなヤツが作った料理を食べてたの!? 私は!?
「う。かっ、かっ……」
咲夜が、手を口元に当てている。いや、ちょっと待ってよまさか……。
「辛ァアアアアアアアアアアアアア!?」
遅いわよ! そして悶える咲夜の胸は揺れる。バイーン。ああもう許せない許せない許せない許せない。
木曜日。
咲夜は買出しに出掛けている。チャーンス。
という訳で住み込みである咲夜の部屋を探索する。まず、ハンガーに掛けられたメイド服を発見。手にとってみる。
「これは……」
胸の部分の起伏が異常に大きい。ゆ、許せない!
ついでにブラジャーも発見。なにこれ。スイカが入りそうじゃないの? ゆ、許せねぇ!
そして、小型冷蔵庫の中。牛乳がぎっしりと入っていた。わ、私を差し置いてこんな努力を……! ゆ・る・せ・ん!
タンスも調べた。ちいさなメダルがあった。うん、許す。
金曜日。
私の部屋を掃除している咲夜。ちょっと動いただけでも揺れる胸……。もうこれは強行手段を取るしかないわ。
「てやぁああああああっ!」
「えっ、ちょっ、お嬢さ……キャアアアア!?」
咲夜に飛びかかって押し倒した私は、その上に馬乗りになった。そして首元から手を思い切り突っ込む。
「いやっ! お、お嬢様やめ……。胸だけはッ!」
ズルリ。何かがズレた! 私はすかさずズレた何かを咲夜の服の中から引きずり出した。私が手に持っていた物は……。
「……パッド?」
そう、パッド。咲夜は、パッドだったのだ!
「しかしこれすごい精度ねぇ? ええ? 本物の脂肪みたいじゃない?」
どこで買ったのよ教えてよ。と聞こうとした私は咲夜の方に視線を向けた。
胸がぺったんこになっていた咲夜は、思い切り泣いていた。
……ごめん。
END
「面白い!」「ここはこうすれば?」「うん……まぁいいだろ」とか何でも構いません!
お暇でしたら是非感想を!
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